カストロのキューバ

 

今朝のTSL(タイムズ文芸付録)、キューバ革命の記事が読めた。…カストロキューバ革命の速やかな成功は、腐敗した政権にうんざりしたmoderateな人々の支持によるところが大きい。が、勝利を手にしたカストロは、その後、そのmoderateな人々の分断・支配に傾いていく。 moderateなテクノクラートは、頑迷な共産主義者に置き換えられ、自由を欲する作家たちは(インファンテやサルベ・サルドゥイ)亡命を余儀なくされた。他方、サルトルグレアム・グリーン等の著名人の度重なるキューバ訪問とその礼賛的言辞は、キューバに残る作家達の自由な発言を抑えつけてゆく。国民経済の主役たる中間層の海外への流出は、国の経済を停滞させ、観光以外の産業は育たなかった。他方、アメリカ、CIAのキューバへの断続的な介入は、カストロの革命の防衛というプロパガンダに資するのみだった。カストロは、consolidatingを着実に推し進めたのだ。30万人規模の民兵組織を作りあげる。キューバ革命のもう一つの痛ましい側面、それはチェ・ゲバラに代表される革命の輸出だ。腐敗した政権に支配されている近隣諸国の解放と社会主義化によってしかキューバ社会主義の安定はないと彼らは考えた。しかし、近隣諸国がゲリラ戦への準備を急速に整え、また、近隣諸国の農民は、ゲリラを外国人としてしか見なかったために(ゲリラは、農民たちの真の理解者ではなかった)、革命の輸出はどこでもうまくいかなかった。…キューバ革命が、気になるのは、同時代性のためだろうか、他人事には思えない。キューバの砂糖キビ刈りに行くヤツがいたのだ。