2021-01-01から1年間の記事一覧

ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論第5巻』 (今村仁司、三島憲一ほか訳、岩波現代文庫2003年刊)

ベンヤミンの著作は、日本語で読めるものは一応すべて読んだ。それで、ベンヤミンの本で今でも気になるのは何かというと『パサージュ論』で、それ以外の本は、理解が届かないのか、あまり読み返したい、とは思わない(『ドイツ悲劇の根源』は、ひどく難しいと…

永井均『哲おじさんと学くん』(岩波現代文庫)

学校の先生は、毎年2万人もの人が自殺している、対策を講じなけならないと言うけど、僕はそれを聞いて、そもそも人間はなぜみんな自殺しないのだろう、ということの方が気になってしまう。(永井均は時々このような幼稚とも言える、だがとても深い問いを発す…