2019-02-11から1日間の記事一覧

キルケゴール『死にいたる病』(斎藤信治訳、岩波文庫)

「この病は死にいたらず」(ヨハネ福音書)、しかし、ラザロは死んだ。死にいたる病とは、絶望のことである。・・・このような『聖書』についての解釈がつづくなら、この本はもっと面白い。だが、あとは「絶望」についての哲学的思弁が繰り返される。絶望を感…

車谷長吉『人生の救い』(朝日文庫)

純文学的大衆路線 貧乏は好きですが破滅を目指したことはありません。人生に一夜漬けの解決法などありません。私(車谷)は、作家になるために一日四時間以上眠ったことはありません。作家は、書くこと以外のすべてを捨てなければなりません。痛みを伴うことだ…