トランプはメチャクチャだが、米国の方が健全だ!

読まずに積み上がっていた“ロンドン書評”(LRB、2019年10月10日号)をぱらぱらめくる。まず、トランプのアメリカについての記事( エリオット・ウェインバーガー筆によるその記事は、“ひと夏のアメリカ”といった格調高いタイトルがついている)を読みだすとこれが面白い。日本で報じられている以上に、トランプはメチャクチャをやっているようだ。フランスでは、トランプに批判的な女性議員を口汚く面罵した。ストックホルムでは、暴力沙汰で拘束されているラッパー、A$AP Rockyの釈放を当局に迫った。四割ものアメリカ国民が、非常時に使える400ドルの預金もないのだという。他方、トランプ大統領は、週の2.5日を自らの経営するクラブでゴルフに興じ(おそらくゴルフしながら政治をしているのだろうが、堂々とゴルフ三昧しているところがすごい)、スタッフの宿泊費やらで、がっぽり私財を潤している。越境移民に対する扱いは過酷で(一説ではナチスの集中キャンプ以上)、とりわけ問題なのは、幼児やティーンエージャーに対する収監なのだという。
阿部政権におけるモリカケ問題、今の「桜を見る会」問題、決して褒められたことではないとしても、一国のトップ政治家を、ルール違反があると批判し、それで時間を費やすことに何の意味があるのだろう。トランプはメチャクチャだが、アメリカでは、行儀が悪いといって政権の座から引きずり降ろすことはない。私は、アメリカのほうが健全だと思う。大統領は、大統領としての仕事をしていれば、どれだけゴルフに興じようと構わない。